2013年10月24日木曜日

西表島

2013.09.24  石垣島


2013.09.22  西表島後良川河口のマングローブ林


2013.09.22  西表島 の水田のシロハラクイナ

2013.09.23  西表島  サギの仲間
2013.09.20  西表島  星の砂で見た熱帯魚
 
  920日~25日、石垣島から西表島に行って、遊んできました。ここでは、カンムリワシが普通に見ることができるというので期待していたのですが、電柱に止まっているという情報も空しく、時期も悪かったせいか、確認できませんでした。

ただ、同じ日本といっても熱帯性気候で、水戸で見ることのできる生きものとはほとんどが違うようでした。シジュウカラは色の黒っぽく見える亜種イシガキシジュウカラで、ヒヨドリも亜種イシガキヒヨドリ、キジバトは亜種リュウキュウキジバトというふうに微妙に違っていました。その他、シロハラクイナ、リュウキュウツバメ、リュウキュウカラスバトなど、またダイサギと思われる個体も水戸の個体とは見た感じが違うようです。ジャングルを歩いていてヤマビルに食われたりしましたが、エメラルドグリーンの海、サンゴ礁の熱帯魚、後良川河口の美しいマングローブ林、古見のサキシマスオウノキ群落など、思い出になりました。

2013年8月27日火曜日

尾瀬

2013.08.25 尾瀬  長蔵小屋近くから燧ケ岳を望む

 
2013.08.24  沼山峠休憩所  イワツバメの巣
 
2013.08.25  尾瀬  ウメバチソウ
 
 
2013.08.25  尾瀬  ミズバショウの根元のクマの糞



8月24日から25日、おおよそ二十年ぶりに尾瀬に行って来ました。ここは、湿原のミズバショウが有名な場所です。周りを燧ケ岳などの山に囲まれた本州で最大の高層湿原とのことです。

まず、沼山峠休憩所の軒下にはイワツバメの巣があり、時期的に少し遅いと思うのですが、一つの番いだけでしたが子育ての最中でした。このイワツバメは、水戸でも見ることができます。湿原の周りの森から、メボソムシクイの囀りが盛んに聞こえてきました。8月末でもメボソムシクイは、囀るということが解りました。湿原ではホオアカなども確認できました。

また、湿原で、ニッコウキスゲは見られませんでしたが、キンコウカやウメバチソウ(梅鉢草)などが観察できました。少し怖かったのですが、ミズバショウの実の部分は、ほとんどツキノワグマに食われていて、クマの糞がミズバショウの根元に見られました。

今回は、ばてて仕舞うかもしれないと心配していましたが、高原は秋を思わせる天気になり、尾瀬のハイキングを満喫しました。

2013年8月23日金曜日

筑波実験植物園



2013.08.21 筑波実験植物園  (水槽のデンジソウ)

2013.08.21 筑波実験植物園  (インドボダイジュ)

2013.08.21 筑波実験植物園  (インドボダイジュ)

8月21日、つくば市にある「筑波実験植物園」に行って来ました。ここは、国立科学博物館が植物の研究を推進するために設置した機関で、世界の熱帯や乾燥地に生育する植物や日本に生育する代表的な植物も見られます。企画展として、「水草展」を開催していましたので、見学してきました。

まず、水草デザイナーによって制作された水槽を見学しました。日本のものだけでなく世界から集められた水草も有り、綺麗なものでした。この中に、デンジソウ(田字草)があり、水の中に沈水した状態で植えられていました。以前、水戸の「逆川緑地」で見た時は湿地に生えている状態でしたので、沈水した状態で長い間生息することができるのかと思い、帰ってきて調べてみましたが、解りませんでした。

また、御釈迦様がこの木の下で悟りを開いたという、仏教聖木の一つクワ科イチジク属のインドボダイジュ(印度菩提樹)が有りました。各地で植えられているシナノキ科のボダイジュ(菩提樹)とは、別物だと初めて知りました。もっとも、私がいくらこの木の下で座禅に励んでも、悟りは開けないだろうと思いますが。

2013年8月6日火曜日

サロベツ湿原


2013.07.07 サロベツ湿原近くの風車(エゾシシウド?)

 
 


2013.07.07 サロベツ湿原近くのハマナス
 
 
2013.07.07 サロベツ湿原 トキソウ
 
  77日、北海道のサロベツ湿原に行ってきました。

  サロベツ湿原近くの日本海側の海岸線は、風が強いらしく、風車が整然と並んでいました。水戸付近では見ることのできない風景が広がっています。ハマナスの花が見頃で、朱色が緑の中に映えていました。ハマナスは、太平洋側では茨城県が南限です。特に鹿嶋市大小志崎は、ハマナス自生南限地域として国の天然記念物に指定されています。

  サロベツ湿原の中の遊歩道で見られたトキソウ等も、可憐でした。空気が違いますね。

2013年7月13日土曜日

石巻の風景



2013.06.30 石巻
 
6月30日、石巻に行ってきました。

蒲鉾工場など再建された建物が少しありました。歩道橋に表示されている津波到達の痕跡を見ると自然の力の大きさに言葉を失います。自然の災害の程度を想定するということ自体、人間の驕りや錯覚ではないかと思ってしまいます。

2013年6月4日火曜日

黄色い嘴のシジュウカラの幼鳥

シジュウカラ(幼鳥)  2013.06.01  逆川緑地


  6月1日、水戸市千波町付近の「逆川緑地」に行ってきました。この中に「自然ふれあいの池」という、公立の公園の中では珍しい、自然の湧水を水源として作られた、ヨシのある池があります。ここには毎年オオヨシキリが子育てに来ていますので、今年も確認に行きましたところ、子育てをしているようです。また、近くの斜面緑地で、子育て中のシジュウカラの親子に会いました。まだ黄色い嘴をしたシジュウカラの幼鳥が羽を可愛く震わせて親に甘えながら、餌を貰っていました。前回のスズメと同じく鳥も子育てに忙しい時期なのですね。

  この「自然ふれあいの池」は、水面の直径がせいぜい数十メートルの浅くて小さい池なのですが、たまたま釣り人がオオクチバス(ブラックバス)を釣り上げました。人造の池でも、少し時間がたつと様々な生きものが棲むものです。
オオクチバス(ブラックバス) 2013.06.01  逆川緑地
 

2013年5月23日木曜日

黄色い嘴のスズメの幼鳥

2013.05.21 スズメ(黄色い嘴をした幼鳥)
 
5月21日、水戸市千波町の人家の塀で、まだ黄色い嘴をしたひよっこのスズメに会いました。羽を可愛く震わせて親に甘えながら、餌をもらっていました。
ここの家の屋根の瓦の下で、毎年スズメが巣立ちます。今年も、無事巣立ったようです。
転じて、若い人も、まだ黄色い嘴をしてなどと言われますが、可愛ければ許されますね。

2013年5月20日月曜日

ヘラオオバコ(オオバコ科)


ヘラオオバコ(5月14日  逆川緑地)
5月14日、水戸市の逆川緑地に行ってきました。10年ほど前に比べて、ますます帰化植物が増えているようです。その中の一つに、ヘラオオバコがあります。ヘラオオバコは、ヨーロッパ原産で世界中に帰化しているとのことです。花茎は高さ50センチメートルほどになり、日本在来のオオバコ(私たちが小さいときカエルッ葉などと呼び、農道などの人に踏まれる場所にたくさん見られた草。)と異なり、目立ちます。私は2007年に桜川下流の河川敷で観察し、その時はまだ珍しいと思ったのですが、現在では市内のあちこちで増えている帰化植物の一つになりました。

2013年5月17日金曜日

偕楽園のツツジ(キリシマツツジなど)


偕楽園(ツツジなど)  2013年5月13日
 
5月13日、偕楽園に行きました。キリシマツツジの盛りは過ぎてしまいましたが、まだ咲いている花もありました。

偕楽園は、全国的に「梅の花」ばかりが知られているようですが、ほかの良い点は、あまり知られていないようで残念です。ここの自然も、実は一年中楽しめる場所で、私はツツジの頃が、静かで気候も良く、一番好きです。

2013年5月3日金曜日

車に撥ねられたハクビシン


ハクビシン  2013.04.29  水戸市内原町小林
 

2013年4月29日、内原駅周辺で、車に撥ねられたとみられるハクビシン(ジャコウネコ科)を見つけました。ハクビシンは、人家の屋根裏などにも巣をつくり、トウモロコシを食われるなどの被害を聞いたことがあります。現在では、水戸市全域に住んでいるようです。水戸市内では、明治期には生息記録がないこと、数十年前でも珍しくて見かけると話題になったことから、この数十年で生息域を市内全域に増やしたのではないかと思われます。

2013年4月30日火曜日

「御領内(水戸領)産物留」の鳥


 
  1700年代、享保20年ころ、幕府の役人で本草学者の丹羽正白は、日本全部の動物、植物、鉱物などの調査を各藩に行わせ、「産物帳」という書物にまとめた。残念ながら、幕府にあった原本は失われたが、各藩の控えが残っていて、当時の自然環境を知る手がかりとなっている。水戸藩においては、「御領(水戸領)内産物留」(1736年 国立国会図書館・白井文庫蔵)と題される写本が残っている。

 この調査は、日本全国を対象として実施されたはじめての自然調査というべきものであった。水戸藩内においても、藩内の知識人を刺激し、木内玄節(17681833)の「常陸物産誌」24巻や佐藤中陵(17621848)の「山海庶品」1000巻の作成に影響を与えた。


ここでは「御領内(水戸領)産物留」の鳥類の部に記された品目名と書入れを紹介する。

 
一鳥類

鴈 マタラ 真カン ヒシクヒ 犬カン  鴨 マカモ 羽白 ヲシカモ カル 小カモ ス丶カモ

   ハクカン サカツラ               タカブ クロカモ カシラタカ ヲナカ

靏 ナヘツル 真ツル 白ツル ナヘツル平生ハ渡り不申候 十月比ヨリ来三月四月比迄

                   居り申候江辺ニテハ朝鮮ツルト申候小フリニて黒ツルニ御座候

 真ツルコレハ平生居申候テ大フリナル鳥ニテ目ノ辺アカク御座候 白ツルコレモ折々ワタ
 リ申候

コウノ鳥     白鳥         鳩 土ハト八幡ハト      ス丶メ 

四十カラ     五十カラ     マヒハ               庭鳥

           ツバメ       クイナ               ケリ

ウツラ       ヒハリ       木ツツキ又テラツキ    フクロウ

トビ         カラス       ヒヨ鳥               ヨシキリ

サンクワウ   青ジ         ミソサンサイ           ムク鳥又サウメキ

川鼡カイツフリトモキンキチトモ鳩ト云ハ  シギ            バン

比ノ鳥ノヨシ

ミ丶ツク     トキ         モズ                 セキレイ

テウマ       メシロ       ウカラス             田ヒバリ

キクイタ丶キ カシラタカ   サキ青サキ タイサキ 五位サキ 白サキ

シヤウビン又川セミ ヲ長鳥  カケス                カハラヒハ

コカラ       チトリ       水ク丶リ             キシ

ホ丶ジロ     カツコウ鳥   ウソ                 ハイタカ

山シキ       ルリ         コマトリ             レンジヤク

シメ         ヒタキ       シナイ               ミナクチ

ツクミ       キセキレイ   アヒル               ヌカ

ハヤフサ     ヨタカ       ムネクロ             ワシ

カハホリ     川ス丶メ     エホ                 山トリ

松ムシ       マシコ       イスカ               イカル

黒ツグ       ノジコ       ホトトキス           スボロ

アトリ       ミヤマス丶メ 山カラ               ボト

虫バミ       鍋カフリ    

一海鳥

マトリ       クロ鳥       コマ鳥               カコ鳥

ミサゴ       コチタ       チドリ

 
  以上は「御領内(水戸領)産物留」の鳥類の部の本文であるが、同時に作成されたであろう絵図は発見されていないので、品目名の鳥が、現代の標準和名でどの種であるのか、方言の問題もあり、推察は困難な種もある。現在の鳥の生息状況などから、あえて推定すると以下のようになる。


一鳥類

鴈 ( ? )  マガン ヒシクイ シジュウカラガン  鴨 マガモ ( ? )  ヨシガモ カルガモ コガモ ( ? )    

   ハクガン サカツラガン                        コガモ ( ? )  ( ? ) オナガガモ

靏マナヅル タンチョウ ソデグロヅル マナヅルは、普通は渡ってこない。10月頃から来て34月頃までいる。江戸では朝鮮ツルと言う。小さくてクロツルに見える。

    タンチョウは、普通にいて大きい鳥で目の辺りが赤く見える。ソデグロヅルもときどき渡ってくる。

コウノトリ   ハクチョウ   ハト ドバト ジュズカケバトあるいはシラコバト      スズメ 

シジュウカラ     ゴジュウカラ     マヒワ              ニワトリ

ウグイス           ツバメ       クイナ類               ケリ

ウズラ       ヒバリ       キツツキ類    フクロウ

トビ         カラス類       ヒヨドリ               ヨシキリ類

サンコウチョウ   アオジ         ミソサザイ           ムクドリ

カイツブリ      シギ科の鳥の総称            バン

ミミズク類     トキ         モズ                 セキレイ類

ツグミ       メジロ       ヒメウ             タヒバリ

キクイタダキ カシラダカ   サギ類

カワセミ    オナガ  カケス カワラヒワ

コガラ       チドリ類       ミソサザイ         キジ

ホオジロ     カツコウ     ウソ                 ハイタカ

ヤマシギ     オオルリとコルリ         コマドリ  ヒレンジャクとキレンジャク

シメ         ヒタキ類      アカハラ              ミゾゴイ

ツグミ       キセキレイ   アヒル              ベニヒワ

ハヤブサ     ヨタカ       ( ? )                  ワシ類

( ? )     ( ? )     サンカノゴイ         ヤマドリ

ヤマヒバリあるいはキクイタダキ  マシコ類       イスカ               イカル

( ? )     ノジコ       ホトトギス          ( ? )       

アトリ       ( ? )     ヤマガラ             ( ? )    

( ? )     ( ? )     タカ類

一海鳥

ウ類         クロガモビとロートセキンクロ       ( ? )             ( ? )    

ミサゴ       ( ? )            チドリ類

2013年4月21日日曜日

千波湖の飼い鳥(コクチョウやコブハクチョウについて)


卵を抱くコブハクチョウ(4月19日  千波湖)


卵を抱くコクチョウ(4月19日  千波湖)

 
  4月19日、千波湖に行って、野鳥を観察しました。ここでは、冬にカモなどの野鳥が多くみられます。今回は、ここで飼われているコクチョウやコブハクチョウの数を、周回道路を歩きながら、数えてみました。

千波湖にいるコクチョウやコブハクチョウは、元々は人の手によって連れてこられましたが、その後増えつつあり、現在では周辺の湖沼などに住み処を広げて野生化している個体もいます。

コブハクチョウ27

コクチョウ76(この内幼鳥6)

2013年4月18日木曜日

水戸市森林公園


2013年4月14日  水戸市森林公園(山桜)
 
 
   4月14日、水戸市森林公園に行ってきました。今年も、山桜がきれいでした。
ここら辺から、謡曲「桜川」で有名な岩瀬にかけては、山桜が特にきれいな場所と思います。この謡曲が作られた頃の昔の人も、茨城県内のこの辺を桜のきれいなところと解っていたのでしょう。 
418日、水戸市森林公園の近くをドライブしていると、夏の鳥のサシバが2羽飛んでいました。この辺の谷津田には、子育てするために毎年サシバが飛来します。インドネシア付近から渡って来ますが、私は、今年初めて確認しました。


2013年4月17日水曜日

水戸藩にいた鳥


 
(1)     幕末の水戸の絵師に描かれた鳥

 

  好文亭四季模様之図  亘セン幽

本図は、亘セン幽の筆になる偕楽園の鳥瞰図で、嘉永4(1851)年に彩色が加えられている。当時の偕楽園が細かく描かれているが、特にツルの仲間が図鑑のように描かれているのが目に付く。絵から見てタンチョウが、子に餌を与えている。タンチョウの近くには、ソデグロツルが描かれている。
 
  また、タンチョウの脇に、

「 靏  靏之休ミ所
 
  藤棚  見川村地

  嘉永四辛亥四月初子ヲウム 」の書き入れ付がある。

 

  偕楽園図

本図は、「幕末と明治の博物官報」(平成11年度)によれば、徳川斉昭が偕楽園の図の作成を園吏に命じ、完成されたものである。完成された絵は、斉昭に奉呈され、斉昭の「潜龍閣蔵書印」という蔵書印が押されている。絵の内容は、「好文亭四季模様之図」とほぼ同様である。

面白い事に、この二枚の絵を見比べてみると構図などは似ているが、描かれている鳥が違うのである。「偕楽園図」には、「好文亭四季模様之図」  に描かれているソデグロヅルは見当たらない。しかし、タンチョウの他にツルの仲間で、ナベヅルが偕楽園と桜山の間に描かれている。加えて、コサギと思われる鳥の群が田の中に描かれて、千波湖の湖面には白鳥類あるいはハクガンと推定されるもの、淡水ガモの仲間と思われる群れも浮いているように描かれている。 

現在は道路や芝生の広場となっている所に湿地帯があり、ここで絶滅が危惧されているタンチョウなどの水鳥たちがのんびりと餌をとる様子が興味深い。当時、ツルの仲間は、徳川家によって厳重に保護されていたのであるが、これらの絵においても、ツルは現在の図鑑で見ても種が特定できるほど詳しく描かれている。他の水鳥は種が特定できるほど詳しくなくカモの仲間程度しか特定できないことを見ても、ツルが特別大事にされていた事がわかる。水戸藩内の人々がツルを見る眼は、他の鳥と違っていたのであろう。

縄文時代の水戸市付近の鳥


縄文時代の水戸市付近の鳥

 

現在の水戸市からみて那珂川の対岸にあたる、ひたちなか市三反田には、茨城県を代表する縄文時代の貝塚がある。この蜆塚貝塚の「動物遺存体調査報告書」(1987.3)によれば、検出された鳥類は、保存状態もあまりよくなく種名の鑑定が不可能な破片が多いが、目立って多く確認されたのはカモ類である。その他、ウミウ、ハクチョウ、タンチョウなどの骨が、わずかに見られる。これとは対照的に、保存状態が良好で、頭蓋骨などの一部を除いてほぼ全身骨格が残っている、オジロワシと考えられる大型ワシ類の頭蓋骨・指骨を欠く全身骨格が出土している。食料に資するために解体されたのではないことが明らかで、埋葬犬に見られるような意図的な様子が伺われる、特殊な埋葬例である。

また、この貝塚からは、約3500年前の縄文後期のものと見られる鳥型土製品および鳥形把手も出土されている。三反田蜆塚貝塚の「1999年道路拡幅工事に伴う発掘調査概要」(2000.3)によれば、この鳥型土製品と見られるものは、鳥をモチーフにしていて、嘴は鋭く、猛禽類であると推定される。目は、円孔を貫通させて表現している。

今でも、涸沼にオジロワシが出現することを考えれば、当時、那珂川上空をオジロワシが悠々と舞っていたであろうと推定されるし、これを見た当時の人々が、このワシに特別な畏敬の念を抱いていたと考えるのは不思議ではない。